//もちおのソフトテニスノート
//2020年10月20日(火) 第279号
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試合でのメンタルに関する質問をいただきました。
以下、質問です。(一部、伏字にしています)
試合でのメンタルについてです。
試合前、練習前、寝る前に必ず鏡の自分を見つめて『自分は強い!』『自分は出来る!』『自分は勝つ!』と自己暗示をかけ、イメージトレーニング(サーブやレシーブの自分視点と他者視点、ピンチから逆転勝ちした時のイメージ)をしています。
市民大会などの試合では高校2年男子や○○地区3位の中学生男子には勝ちます。
ところが、ジュニアの試合になると勝てなくなります。動きが全く違います。
声も震えてしまって、演歌にもなっとらんがな!靴の裏にボンドが着いとるんか?根が生えとるんか?脇に三角定規挟まっとるんか?膝の後ろにつっかえ棒が着いとるんか?と後ろで突っ込んでしまいます。
本人曰く、ジュニアの試合は緊張して息をするのも忘れる時もある。とのこと。
私も試合を見て息をするのを忘れてしまうので、『息はしろ。』としか言葉が出ませんでした。
とにかく母以上にメンタルが弱いです。ジュニアの試合でもビビらずに、いつもの3割でも力が出せる様な気持ちの作り方があればご教授下さい。
この質問を通して僕が考えたことについて話します。
本記事は、裏Step(ソフトテニス競技者育成”裏”プログラム)のメルマガの記事です。
https://softtennis-blog.com/ura-step-202004
なぜ緊張するのか?
まず「人間はなんで緊張するんだろう?」って考えてみました。
緊張する理由はたぶん
- 「予想・期待に反することが起きるかもしれない」って考えるから
- その”予想・期待に反すること”が起きた時のダメージが大きいから
です。
例えばセカンドサーブを打つ時に緊張するのは、「予想・期待に反すること=ダブルフォルトが起きるかもしれない」って考えるから(=①)、そして、ダブルフォルトをしたら1ポイント失ってしまうから(=②)ですよね。
もし「セカンドサーブが絶対に入る(ダブルフォルトはしない)」って思っていればそこまで緊張しないはずですし、逆に「ダブルフォルトするだろ」って開き直っていた場合も緊張しないはず。あと、ファーストサーブの場合はミスっても1ポイント失うわけではないので、ファーストサーブを打つ時はセカンドサーブを打つ時よりも緊張の度合いが小さいはず。
このように、自分が予想していること・期待していることと真逆のことが起きるかもしれない…望んでいないことが起きてしまうかもしれない…そしたらダメージが大きい…って考えると、人間は緊張してしまうんだと思います。
質問者さんの子供(小学生)の例で言うと、「自分は強い!」「自分は出来る!」「自分は勝つ!」というのが予想・期待。その予想・期待に反することが起きるかもしれない、そして、その予想・期待に反すること(「自分は弱い」「自分は出来ない」「自分は勝てない」)が起きた時のダメージは大きい…って考えているので、緊張してしまっているのではないでしょうか?
じゃあなんで高校生・中学生と試合をする時と小学生と試合をする時とで緊張の度合いが違うのか?
高校2年生や○○地区3位の中学生男子という明らかに格上の相手と試合をする時は、おそらく「負けてもある程度しょうがない」という気持ちが生まれているのでは?
だから、「自分は強い!」「自分は出来る!」「自分は勝つ!」という予想・期待がそもそも薄まっているし、その予想・期待に反すること(=負け)が起きたとしてもダメージは小さい。結果、緊張の度合いが小さくて済む。
一方、ジュニアの選手という”同等の”相手と試合をする場合は、「負けてもある程度しょうがない」という気持ちにはならない。
なので、「自分は強い!」「自分は出来る!」「自分は勝つ!」という予想・期待が濃くなっているはずです。そして、”同等の”相手であるからこそ、「自分は弱い」「自分は出来ない」「自分は勝てない」ということ(予想・期待に反すること)が起きた時のダメージが大きい。結果、緊張の度合いが大きくなってしまう。
緊張する理由って、こういうことなんじゃないのかな?って思いました。
質問者さんの子供は「自分は強い!」「自分は出来る!」「自分は勝つ!」と自己暗示しているようですが、その行動は、それを達成できない自分をイメージする(予想・期待に反することが起きることをイメージする)ことと表裏一体ですので、自己暗示によってむしろ追い詰められているのでは?とも思います。
で、僕が思うに、ズバリ!!!質問者さんの子供は目標の持ち方(予想・期待の仕方)を変えた方が良いです。
目標の持ち方
人間の行動を3つの側面に分けて考えます。①→②→③と進むごとに、自分自身でコントロールできる度合いが低くなっていきます。
- やったか、やらなかったか?(実行)
- できたか、できなかったか?(結果)
- 優れているか?劣っているか?(比較)
質問者さんの子供が持っている目標=「自分は強い!」「自分は勝つ!」は、このうちの③に該当します。自分自身の力だけではコントロールしにくいことを目標にしてしまっているわけです。
もちろんソフトテニスは競技スポーツである以上、他者比較の中で生まれる”勝利”を目標にすることは間違っているわけではありません。むしろ、競技スポーツである以上、”勝利”を目標にするのは健全だと思います。
んが。
あまりにも強く「③優れているか?劣っているか?」に焦点を当てた目標を抱いてしまうと、それは自分を苦しめることになってしまいかねない。
なぜなら、「③優れているか?劣っているか?」に焦点を当てた目標は、他者との比較の中で達成できたかどうかが決まる、自分自身の力だけではコントロールしにくい目標だからです。
ってことで。
「①やったか、やらなかったか?」に焦点を当てた目標を持つのはどうでしょうか?「試合の中で、これは絶対にやる!」「試合の中で、絶対に下を向かない!」とかです。
これなら自分自身の力だけでコントロールしやすいですし、緊張にはつながらないはずです。
もし、やったけど負けた…のであれば、今度は「これをやれば勝ちに近づくはず」ってことを実行すればいいんです。
で、それを「やったか、やらなかったか?」という視点で振り返る。
もし「これをやれば勝ちに近づくはず」って考えたことを実行した結果勝てたとしたら、バンザイ!!!実行したけど負けたのであれば、「ちゃんとやったよね!自分!」って認めた上で、また「これをやれば勝ちに近づくはず」ってことを考えて実行する。
。。。。
。。。。
勝ったか?負けたか?という観点の目標ではなく、「試合の中でこれをやろう!」っていう目標を立ててみたらどうでしょう?
結果的に最後の最後まで勝てなかったとしても、「自分で決めたことを僕はちゃんとやった!」っていう経験が、今後の人生の糧になるはずです。
てゆーか、僕はこうやって生きていきたいなって思ってるだけなんですけどね。押し付けるつもりはありませんので、参考までに。
今日は以上です!じゃ、またね。
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