//もちおのソフトテニスノート
//2021年9月26日(日) 第561号
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スマッシュについて、今の時点での僕の考えをまとめておきます。
ラケットの握り方

サーブと同様、コンチネンタル〜イースタングリップでラケットを握ります。
理由は2つです。
①頭の後ろでも打ちやすいから
コンチネンタルグリップの場合、頭の後ろで打つ時でもラケット面を下の方に向けやすくなります(これも実際にやってみたらわかると思います)。
ウエスタングリップの握り方で頭の後ろにあるボールを打とうとすると、ラケット面がどうしても上を向いてしまいます(ぜひ実際にやってみてください)。つまり、ギリギリ取れるかどうかのボールをウエスタングリップでスマッシュしようとすると、アウトしやすくなってしまうということです。
②ラケットのスイングスピード(ヘッドスピード)を上げやすいから
体の横で横に振るフォアハンドストロークの場合、頭から腰へ垂直に設定した軸を使って体を回転させることが、ラケットのスイングスピードにそのまま寄与しますが、
スマッシュの場合、頭から腰へ垂直に設定した軸を使って体を回転させることが、ラケットのスイングスピードにそのまま寄与するわけではありません(だってスマッシュは頭の上からラケットを縦に振るから)。
https://www.youtube.com/watch?v=wTN_nNCC0KE&t=10s
Roger Federer Overhead Smash | Court Level View

そこでスマッシュの場合は、スイングスピードを上げるためにストロークの時とは違う要素を考える必要があります。で、それが内旋・回内の動きです。内旋・回内の動きを最大限に使うことによって、ラケットのスイングスピードを上げることができます。

そして、内旋・回内の動きを最大限に使おうと思ったら、コンチネンタルグリップで握ることが必要になります(文章化するのが難しいのですが…実際にラケットを持って試してもらえれば、ウエスタングリップの場合は特に回内の動きが使いにくいことがわかってもらえるはずです)。
後ろ足のつま先の向き

スマッシュの際の後ろ足のつま先の向きは、横向き~やや後ろ向きに設定します。
初心者がスマッシュする時に多いのが、後ろ足のつま先が前(ネット方向)を向いてしまう構えです。後ろ足のつま先が前を向いてしまうと、体が正面を向くことになってしまって、下半身の動きを使いにくくなってしまいます(→腕の力だけでスピードを出そうとしてしまって、上半身の力みにつながる)。
特に、前に詰めるスマッシュの時につま先が前を向きやすい(体が開きやすい)ので要注意です。
左手を上げるタイミング
スマッシュ指導の時に「左手を上げて、左手をアンテナのようにして下がるんだよ」っていうの、よく聞きますよね。でも、あれって間違っているんじゃない?って思っています。
スマッシュを2つの動作に分けて考えます。
①打点までの移動
②スイング
多くの選手がつまずくのが、「①打点までの移動」だと思います。打点までスムーズに到達できず、空振りをしたり力が入らない形でスイングしたりしてしまう。
なんでこうなるのかな?って考えてみたんですが、もしかすると①と②の動作をごちゃ混ぜにしているからかもしれません。
先に「②スイング」を考えてみます。スマッシュのスイングは、右利きの場合
(1)左肩が上、右肩が下の状態(よく「左手でボールをつかむように」っていうアドバイスがされます)
→(2)体が回転し、左肩と右肩が入れ替わる
→(3)左肩が下、右肩が上の状態でインパクト
という流れで行われます。
次に「①打点までの移動」を考えてみます。
スマッシュのフットワークでは、「体を横に向けて(半身になって)クロスステップ・サイドステップで下がる」という指導がよく行われますよね。これは正しいと思います。
半身になってクロスステップ・サイドステップをした方が、体が正面を向いた状態で下がるよりも1歩1歩の大きさが大きくなって、移動が速くなるからです(しかも、体が正面を向いているとスイング時に肩~腕の力だけでスイングすることになるが、半身になると上半身の回転が使えるようになるので、スイング動作の点から考えても合理的)。
ただ、スマッシュが苦手な人(初心者)は、この2つの動作をごちゃ混ぜにしてしまっていると思っています。
どういうことかというと、スイング動作の初期段階である「(1)左肩が上、右肩が下の状態」のまま、半身になってフットワークをしているっていうことです。
よく、「左手を上げて、左手をアンテナのようにして下がるんだよ」っていう指導が行われるし、僕もそういう指導を受けたし、僕もそういう指導をしていたんですけど、、、
「(1)左肩が上、右肩が下の状態」で後ろに下がろうとすると、下がるスピードが遅くなりませんか?
体の軸が後ろに傾くので、「倒れないように」右足で必要以上にブレーキをかけてしまうことにつながり、結果的に下がるスピードが遅くなってしまうのでは?って思ったんです(後ろ足である右足でブレーキをかけないと、後ろ方向にかかるエネルギーによって体が倒れて転びそうになる)。
ぜひこの動画を見てください。
爆音!広岡宙選手のスマッシュがめちゃくちゃ速い!!【ソフトテニス】
「①打点までの移動」では、むしろ「左肩が下、右肩が上」になっています。で、打点まで移動してはじめて、「(1)左肩が上、右肩が下の状態」を作っています。
①打点までの移動
②スイング
をはっきりと区別しているわけです。だからトップレベルの選手はスマッシュがうまいのではないでしょうか?
少なくとも、トップレベルの前衛で「(1)左肩が上、右肩が下の状態」のまま後ろに下がっている選手を僕はほとんど見たことがありません。左手を上げて「アンテナを作って」下がっているのは、初心者~中級者レベルの選手がほとんどです。
もしかすると「左手をアンテナのように使うことでボールとの距離感がわかる」っていう「初心者用の指導」が選手の上達を阻害しているのかもしれません。
体を倒す
これは昨年、守山ジュニアを見学させていただいた時に学んだ観点です。

スマッシュのインパクトの際は、頭を左にどけて(体を傾けて)、ラケットから左足までをまっすぐにします。
頭を左にどけることによって、縦のスイングをスムーズにできるようになるからです(頭を左にどけないと、縦のスイング動作が窮屈になる)。

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