//もちおのソフトテニスノート
//2021年10月31日(日) 第573号
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ローボレーについて、まとめておきます。
タップできる目次
ローボレーのコツ・注意点
★ボールを引きつける
ボレーにおいては、「ボールを引きつける」ということが重要です。
「ボールを引きつける」というのは、ボールに力を伝えやすいところ(自分にとって力を入れやすいところ)までボールを呼び込むという意味です。
一方、力を伝えやすいところまでボールを呼び込むよりも前で打とうとすることを、「体が(頭が)突っ込む」という言い方をします(ボールを呼び込みすぎたら「振り遅れ」)。
★移動の意識が強すぎて突っ込みがち
ボールを打つ動作は
- ボールのところまで移動する
- ボールをラケットで打つ
という2つの動作に分解できます。
この2つのうち、ソフトテニスにおいては「ボールのところまで移動する」ということが重要視されます。ストライクゾーンにボールが飛んでくる野球と違って、自分がいるところにはボールが基本的に飛んでこないのがソフトテニスなので。
だから、ソフトテニスの指導現場では「足を動かせ!」というアドバイスをよく耳にするわけです。
んが。その指導自体は間違っていないのですが、
ローボレーに関して言うと、「足を動かせ!」というアドバイスはマイナスに働くことがあります。
足を動かす意識(ボールのところまで移動する意識)が強すぎると、「ボールを引きつける」ことがおそろかになりがちなのです。全然ボールを引きつけることができずに、「突っ込む」形のローボレーをしがち。
ということで、ローボレーの上達のためには、「ボールを引きつける」感覚を身につけることが重要になります。
★ドライブ回転がかかったローボレーを目指す
ローボレー(サービスライン付近で低い打点からノーバウンドでボールを打つ技術)では、
- 目の前にあるネットを越えて(上方向に打って)
- ベースラインよりも手前に落下させる(下に落とす)
という相反する2つのことを実現する必要があります。
なので、ドライブ回転がかかったボールを打ちたいわけです(←上方向に打っても、下に落ちるボールにしたい)。
そこで、インパクトの瞬間にほんの少しラケットが「下から上」の動きをするようにラケットを動かします。
あまり大きく動かしすぎるとボールにうまく当たらず、いわゆる「ガシャる」ボールになるので要注意。ほんの少しだけ下から上にラケットを動かします(練習して自分で感覚をつかむしかないと思います)。
ラケットの動かし方は、横向きの8の字の描くようなイメージです。
★膝の曲げ伸ばしでボールにエネルギーを伝える
ベースラインに立っている時よりも相手と近くて時間的余裕がないので、ワンバウンドのストロークのように前に大きく踏み込んで「前へのエネルギー」を生み出すのは困難です。
なので、踏み込むというよりは膝の曲げ伸ばしによって(→床半力を利用して)「前へのエネルギー」を生み出します。
具体的には、こんな感じです。
フォアローボレーの場合
ボールが飛んできたら右膝を曲げる(右足でタメる)&ラケットで8の字を描き始める(=ラケットを引く)
→右膝を伸ばしながらボールをインパクトする
→(自然と)左足で着地する
バックローボレーの場合
ボールが飛んできたら左膝を曲げる(左足でタメる)&ラケットで8の字を描き始める(=ラケットを引く)
→左膝を伸ばしながらボールをインパクトする
→(自然と)右足で着地する
最後の左足(右足)が、いわゆる送り足というやつです。
前に踏み込むわけではないので、ワンバウンドのストロークほど「前へのエネルギー」を生み出すことはできません。が、まだバウンドして失速していないボールを打ち返すわけなので、膝の曲げ伸ばしだけで十分ボールを飛ばすことができます。
試合の中でローボレーをする場面
試合の中でローボレーをする主な場面がこちら。
【サービスダッシュ後】
①後衛のショートクロスレシーブをローボレー
②後衛のミドルレシーブをローボレー
③前衛のミドルレシーブをローボレー
④前衛のショートクロスレシーブをローボレー
【レシーブ後】
⑤後衛の3本目ミドルをローボレー
⑥後衛の3本目ショートクロスをローボレー
【ベースラインから前にダッシュした後】
⑦正クロスのボールをローボレー
⑧正クロスからのミドルをローボレー
⑨左ストレートからのミドルをローボレー
⑩左ストレートのボールをローボレー
このうち、⑦は①とほぼ同等、⑧は2とほぼ同等なので、⑦と⑧の練習をする必要はなさそう。
また、⑨⑩はほぼ真っ直ぐ飛んでくるボールの対処なので、斜めから飛んでくる①~⑥の練習をしておけば、特別に練習する必要はなさそう。
よくあるローボレー練習
よくあるローボレー練習って、こんな感じでストレート3コースでやりませんか(1人5球交代とかで)。僕自身、中学生・高校生だった時のローボレー練習といえばこれでした。
このローボレー練習、一度にたくさんの人数が練習できて効率が良い(4コースにすればもっと効率が良くなる)のですが…正直言って、「試合に結びつきやすいか?」という観点で考えると微妙な気がしています。
というのも、試合ではこうやってまっすぐ飛んでくるボールをローボレーする機会はそんな多くないから。少ない面数で大人数が練習する場合は仕方ないんですけど、このやり方でローボレー練習をすると、どうしても「ボールをサービスライン付近からノーバウンドで返球する練習」になってしまいます。「試合の中のローボレー練習」にはなりにくい。
ローボレーの基礎練習
★引きつける練習
ネットを挟んで、2人が向かい合って立ちます。ネットからラケット3本分くらいの位置。
この距離でボレーボレーをします。
【注意点】
①足は動かさない
両足を肩幅くらいに開いて、足は動かさないようにしてボレーボレーをします(遠いボールが来た時を除く)。
ボールに向かって自分が移動するのではなく、ボールが自分の体に近寄ってくるのを待つ(=「ボールを引きつける」)ためです。
★手出しローボレー練習
球出しはネット付近から手出しします。
打つ人はサービスラインよりも1歩前くらいに立ちます。
球出しが打つ人のフォア側にボールを投げます。このボールをフォアローボレー(まっすぐ返す)。
打つ人が元の位置に戻ります。
球出しが、今度はバック側にボールを投げます。このボールをバックローボレー(まっすぐ返す)。
これを繰り返して、合計6~10球やったら交代、という練習です。
試合を想定したローボレーの基礎練習
大学時代、東京女子体育大学OGのコーチのもとでこんなローボレーの基礎練習をやっていました(手出しのボールで1球交代でぐるぐる回る)。
【①】
正クロスからショートクロスに来たボールをローボレー(フォア)
コースは正クロス。
※ローボレーをした後はそのまま右に流れるのではなく、試合を想定して必ず左に戻る
【②】
正クロスからミドルに来たボールをローボレー(バック)
コースは正クロス。
※ローボレーをした後は左ストレート展開のポジションに移動する
【③⑤】
逆クロスからミドルに来たボールをローボレー(フォア)
コースは左ストレート or 逆クロス
※左ストレートにローボレーをした後は正クロス展開のポジションに、逆クロスにローボレーをした後は右ストレート展開のポジションに移動する
【④⑥】
逆クロスからショートクロスに来たボールをローボレー(バック)
コースは左ストレート or ミドル or 逆クロス
※左ストレート or ミドルにローボレーをした後は正クロス展開のポジションに、逆クロスにローボレーをした後は右ストレート展開のポジションに移動する
ローボレーした後にネットにつけるようにするために、滞空時間がそれなりにあるローボレーを打つ意識を持つことが大事。
すべてのパターンにおいて、ネットよりも高い打点でインパクトできる時(ハイボレーできる時)は、相手前衛にぶつけてもOKだと思います。
次のことを考えた賢いローボレー
「このつなぎのローボレーうますぎ!ラケットをブンブン振り回す中学生に見てほしい!」って思ったローボレーについてです。
このローボレーを見てください!滞空時間が長い&深いローボレーを打つことで、
- ネットにつくまでの時間を確保する
- 相手をなるべく後ろで打たせる
ことに成功しています。中学生にはこういうローボレーを身につけさせたいです。
このローボレーも滞空時間が長い&深いボールを打っています。
ローボレー練習をする時は、上記のローボレーを打っている選手のように「次のことを考えた、試合で使えるローボレー」の習得を目指したいです。
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